中野区でうつ病の治療が受けられる精神科

後藤クリニック

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うつ病

うつ病とは

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私が研修医の頃は、うつ病の治療については非常に単純に考えられていたような気がします。「真面目で几帳面」な人がかかるのだから、仕事の負荷を軽減して(安静にして)、追いつめないよう励まさず、抗うつ薬を処方すればよくなると指導されてきました。

実際、彼らの人生において、うつ病は特別な出来事であり、非日常的な出来事であり薬物療法と休養により一旦回復し現実社会に戻るとすみやかに、もとの役割同一性に戻り、社会に復帰していきました。自分が患者さんの回復に役にたったという実感をもつことができました。しかし、このような古典的なうつ病から現在、私ども臨床家を悩ます多様な病態が出現してきています。

メランコリー型うつ病とは

いわゆる古典的なうつ病のことです。メランコリー型うつ病は、下記のような特徴があります。

  1. はっきりと区別できる性質の抑うつ気分
  2. 抑うつは決まって朝に悪化する
  3. 早朝覚醒(通常の起床時間より2時間早い)
  4. 著しい運動制止または焦燥
  5. あきらかな食欲不振または体重減少
  6. 過度または不適切な在責感

現代型うつ病とは

現在、日本のうつ病などの気分障害疾患が100万人に到達し、外来を訪れる患者さんも爆発的に増えました。現代型うつ病はその典型です。

従来型のうつ病と比べて、早期に受診するために病型が不全である、制止や抑制が選択的である、従来のうつ病患者が無趣味であったのに意外に趣味を持っている、かつてのうつ病のような他者配慮性がなくどちらというと自己中心的であるといったような、職場恐怖的な心性が特徴の一つであるとされています。また、現代型うつ病患者には、一体化傾向がない、職場で几帳面さを出さない、自分のペースを乱されるのを嫌う、罪悪感が少ない、他罰傾向がある、しがみつかないという傾向があります。

現代型うつ病は「軽症内因性うつ病」とも言われています。軽症ゆえに、病気に押し流されない、病気に完全に圧倒されないので、自分が陥った状態について認識がある程度できていて、自分自身でどうしたら良いかを判断してしま方が多いとされています。さらに対処行動を活発にするので、注意しなくては非内因性の病態と区別できないこともあります。また、軽症だから治りやすいわけではなく、軽症ゆえに発病したときの状況をよく覚えていて、なかなか職場に復帰できないことも少なくありません。

うつ病の変遷

治療スペクトラムが広いSSRI(選択的セロトニン取り込み阻害薬)の登場によって治療の裾野が広がり、治療の標準化と緻密化が進みました。そして抑うつ症状が改善しても寛解(症状が消失していること)に至らないとQOL(生活の質)が改善しないこともわかってきました。アクチヴェーション•シンドローム(頻度は4.3%)などに対する社会からの批判もありました。そして皮肉なことに薬を処方していれば治るという楽観論が修正をよぎなくされました。よく本屋で「うつ病は心の風邪」というタイトルの本を以前は見かけましたが、今やうつ病の病態を全く理解していない言葉として批判されています。

うつ状態の要因は複雑で不安障害(強迫性障害、パニック障害、社交不安障害など)が合併している例が少なくないこと、すでに過剰診断になっているという批判もありますが、抗うつ薬に反応せずなかなか治らない「うつ状態」には双極性のうつ病が今まで考えらていた以上に認められることもわかってきました。

社会文化的な考察が必要ですが、高度経済発展から長期にわたる不況、国民性の変化も影響があるかも知れないと感じています。最近は世代毎の「うつ」が注目されています。産後、更年期、老年期など各世代でうつ病が発症しますし、対応も異なります。

医学の進歩や時代の変化ともに専門医として求められるニーズも変わってくると思っています。心療内科やメンタルクリニックは以前よりは敷居が低くなってきているとは言え、人に悩みを相談することに抵抗がある方もまだ少なくないと思いますが、当クリニックにお気軽にご相談下さい。本人のみならずご家族の相談も承ります。

うつ病の症状

うつ病の患者においては、気力の減退や易疲労感によって、日常的に行っていた活動に取り組めない、外出の回数が減る、頻繁に横になる等の活動抑制がよくみられます。あるいは、不安、悲しみ、ストレスといった不快な気分をもたらす出来事を避けようとする回避行動もよくみられます。それらの行動は、短期的には気分を緩和させますが、長期的にはうつ病を悪化させる要因になります。

治療法

行動活性化療法とは

患者が自らの活動抑制や回避行動のパターンを把握し、それらを引き起こしている状況における気分と行動の悪循環を断ち切り、抑制的な活動や回避行動といった効果的でない行動を、患者が本来望む目的に沿った新しい行動に置き換えることを学ぶというアプローチです。患者は、置き換えた新しい行動によって生じる気分や達成感の変化を把握することで、その新しい行動が自分が本来望んでいる結果に結びついていくのだという効力感を回復します。

つまり、行動活性化療法は、うつ病患者は落ち込んでいて体を動かす気になれないと考えるのではなく、体を動かすうちに落ち込みが軽くなると考え、行動パターンを変えることで気持ちを軽くするアプローチであると言えます。

マインドフルネス

マインドフルネスとは、自分の気持ちに気づく力を育むための「こころのエクササイズ」で、「今この瞬間」に注意を向けて、現実をあるがままに受け入れるというやり方です。人間は、大きなストレスやトラブルに直面した際、否定的な感情や物事にとらわれて、身動きがとれなくなってしまうことがあります。ネガティブな考えだけが心を支配し、自分が納得するまで考え込んでしまう状態が、一般的に「うつ状態」と呼ばれています。

このうつ状態を陥らないよう、まずは「今この瞬間」の気持ちを、言葉にすることなどによって受け入れます。この時、自分の気持ちについて価値判断をしてはいけません。また、1度にいろんなことを考えてしまわないよう、この瞬間に気づいた気持ちだけに集中しましょう。そうすることで、徐々に気持ちが落ち着いてきます。

このマインドフルネスを繰り返し行うことにより、徐々に気分が安定するようになります。このトレーニングは、うつ病の患者さまだけではなく、日常生活におけるストレスの対処法としても実践できます。

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