本当に人の気持ちなどわかるの?
院長ブログ
実際の診療行為の中ではDSM(米国の精神医学会の診断基準)に当てはめて、「病名」をつけ、必要なら薬や心理検査をして評価致します。そのように世の中から要請されています。しかし、言われるまでもなくそもそも人の「気持ち」について本当のところはわからないものですし、それがどんな動きをするかわかるはずはありません。そのことを強く自覚しているのが専門家だと思いますし、そういう意味ではとてもアンビバレント(両価的)な立場です。仮に、原因らしきものを涙ながらに話されても、もちろんその人にとっては「真実」でしょうが、安易にそれが原因だと決めつけるのは素人です。簡単に決められないという態度で接していくと、今まで前景にあったものが、背景に退き、未知の可能性が明らかになり、対処の仕方が変化することがあります。