東京でPMDD・PMSの治療が受けられる精神科

後藤クリニック

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PMDD・PMS

PMDD・PMSとは

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PMDDとは月経前不快気分障害(Premenstrual Dysphoric Disorder)、PMSとは月経前症候群(Premenstrual Syndrome)のことを言います。つまり、月経前の2週間前から月経が始まる前・始まった直後までの期間にみられる、精神的・身体的に不快な症状があらわれる病気です。約80%の女性はPMDD・PMSに関わる何らかの症状があり、そのうちの半数で強い症状があると言われています。

PMDDとは

PMDDの症状

下記項目に5つ以上当てはまる場合は、PMDDの可能性があります。

  • 著しい抑うつ気分、絶望感、自己卑下の観念があるか
  • 著しい不安、緊張、「緊張が高まっている」「いらだっている」という感情があるか
  • 著しい情緒不安定性があるか
  • 持続的で著しい怒り、易怒性、または対人関係の摩擦の増加があるか
  • 日常の活動に対する興味の減退、があるか
  • 集中困難の自覚は
  • 倦怠感、易疲労性、または気力の著しい低下があるか
  • 食欲の著明な変化、過食、または特定の食べ物への渇望、があるか
  • 過眠または不眠、になっていないか
  • 圧倒される、または制御不能という自覚はあるか
  • 他の身体症状、たとえば、乳房の圧痛または腫脹、頭痛、関節痛、「膨らんでいる」感覚、体重の増加、があるか

月経前の期間に、気分の落ち込み、イライラして怒りっぽい状態、不安、下腹部痛、むくみなど精神・身体の両面で、不快な症状があらわる症状は、従来はPMSと診断されていました。しかし、一部の患者さまの中にはうつ病の患者さんに匹敵するほどの重い精神症状が月経の前ごとにあらわれるために、日常生活に大きな支障を来していることがわかってきました。

これらの精神症状が重い患者さんは月経前不快気分障害(premenstrual dysphoric disorder)と診断されています。しかし、たいへん残念なことに、我が国においては、医師にもほとんど知られていないというのが現状です。

PMDDの患者さんにはほとんど病気という自覚がありません。しかも、月経周期が28日、月経前の重い症状が出てくる期間を7日として計算すると1ヶ月のうち4分の1はPMDDの症状に苦しめられていることになります。20才ころからはじまる人が多いようですが、閉経(50才)まで、PMDDの症状に苦しめられます。

4分の1というとトータル5年苦しむことになります。月経のある女性の20人に一人がPMDDにかかっている比較的ポピュラーな病気であるにもかかわらず、周囲からはわがままや怠けと思われがちで、治療の対象になっていないのが現状です。

症例① Bさん 30才派遣社員女性(既婚/初潮は13才)の場合

18才頃より、月経の前にはイライラすることが多かったが22才で就職をした頃より月経前のいらいら感が強くなった。イライラ感は、月経の10日前頃よりはじまり月経の前日にピークに達する。また、この時期には夫のちょっとした一言に対しても口論になり、ヒステリックにあたったり子供にもあたりちらし、あとになって子供が将来、ぐれないか心配になってしまう。

派遣先でも、仕事の能率が落ち、ミスを連発する。自制がきかなくなり、上司や同僚と口論になる。さらには、夜は十分に寝ているのにもかかわらず、昼間も眠く、極端にイライラするせいか過食になる。また、月経の前には、頭痛がひどくなり、乳房がはり、全身が膨らんでいる感じがする。しかし、これらの症状は、月経がはじまった次の日には、ほとんど消えている。

【治療結果】

まずは、抗うつ薬であるSSRIを処方し、月経前の2週間だけ飲むように指示をしました。また、この期間は自分自身がPMDDであるという自覚を持って注意して過ごすことで、対人摩擦をある程度防ぐことができるようになりました。

PMDDの治療法

PMDDの治療法は生物学的治療が中心になります。特に安全性と有効性からSSRIがもっとも推奨されます。また、症状があらわれる月経前の2週間は、できるだけ対人摩擦が起こらないように気を付けるなどの心理教育も有効です。ご自身がPMDDであることや、どういった症状があらわれるかを自覚するだけでも過ごし方は変わってきます。

その他、適度な運動や食事療法も効果的です。食事では、大豆イソフラボン、炭水化物、適度なカフェインの摂取が推奨されています。

PMSとは

精神的な症状

  • ゆううつな気分
  • イライラして怒りっぽい
  • 不安
  • 感情の起伏が激しくなる
  • 集中力の低下
  • 無気力
  • 過食傾向
  • 自制ができない感じ

身体的な症状

  • 腰痛
  • 下腹部痛
  • 乳房の張り
  • むくみ全身倦怠感
  • めまい
  • 頭痛
  • のぼせ、ほてり
  • 冷え
  • 便秘
  • 睡眠障害
  • 関節痛・筋肉痛

症例① Aさん 26才会社員女性(未婚/初潮は13才)の場合

18才頃より、月経の4~5日前から、イライラ感を感じるようになった。月経の前日にピークに達する。この時期には甘いものが食べたくなって過食になることもある。これらの症状は、月経が始まると、すべて消えてしまう。月経の前には、交際中の恋人に対してはイライラをぶつけることがあるが、上司や同僚には自制がきくので、仕事上ではとくに問題はない。

【治療結果】

AさんはPMSと診断されました。漢方薬を処方し、カルシウムやマグネシウム、ビタミンB6などの栄養素を摂るようにアドバイスをしました。仕事で帰りが遅いためなかなか料理に気を遣う時間がないということで、サプリメントでの補給をお勧めしました。

3か月ほどの通院の後、症状がかなり改善され自制がきくようになり、甘いものの過食や恋人に対してイライラをぶつけることはほとんどなくなったそうです。薬の処方は止めましたが、また症状が再発しないようにサプリメントの摂取は継続するようにお伝えしました。

PMSの治療法

PMSは、有酸素運動(エアロビクス)、食生活の改善、カルシウムやマグネシウム、ビタミンB6などのサプリメントの補給で改善することも多いようです。このようなセルフコントロールによっても、あまり効果がない場合は、漢方治療を考慮してみてはいかがでしょうか。

PMSなど婦人科の病態は、漢方治療が最も得意とする分野といえます。漢方の観点からは、PMSの病態は唹血(オケツ)と考えられます。唹血(オケツ)とは血のめぐりが悪い状態です。PMSの原因ははっきりとはわかっていませんが、ホルモンの影響が考えられます。排卵後に、プロゲステロンやエストロゲンという女性ホルモンが急激に増えた後に減ります。この変動のために自律神経のバランスが崩れ、PMSがおこると考えられます。

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