行動活性化
うつ病
うつ病の患者においては、気力の減退や易疲労感によって、日常的に行っていた活動に取り組めない、外出の回数が減る、頻繁に横になる、等の活動抑制がよくみられます。あるいは、不安、悲しみ、ストレスといった不快な気分をもたらす出来事を避けようとする回避行動もよくみられます。それらの行動は、短期的には気分を緩和させますが、長期的にはうつ病を悪化させる要因になります。
行動活性化療法は、患者が自らの活動抑制や回避行動のパターンを把握し、それらを引き起こしている状況における気分と行動の悪循環を断ち切り、抑制的な活動や回避行動といった効果的でない行動を、患者が本来望む目的に沿った新しい行動に置き換えることを学ぶというアプローチです。患者は、置き換えた新しい行動によって生じる気分や達成感の変化を把握することで、その新しい行動が自分が本来望んでいる結果に結びついていくのだという効力感を回復します。
つまり、行動活性化療法は、うつ病患者は落ち込んでいて体を動かす気になれないと考えるのではなく、体を動かすうちに落ち込みが軽くなると考え、行動パターンを変えることで気持ちを軽くするアプローチであると言えます。